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Korean Venture Capitalist

韓国歴24年日本歴3年 에비스에서 일하고 있는 한국 청년입니다. KoreaUniv, 慶應, 東大/ Colopl&Colopl Next/ Venture Capital/ COYS/ From Seoul, Based in Tokyo/ Trying to enjoy every single moment of life

注目のチャットボット業界!その現状と未来は?

Venture Capital

チャットボット(chatbot)とは?

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 最近、人工知能(AI)を基盤に相手と「対話」しながら、相手のニーズを解決してくれる「チャットボット」が非常に注目を浴びています。

現在、グーグル、フェイスブックマイクロソフト、テレグラムをはじめ、韓国でも、ネイバーやダウムなどの大手IT企業がチャットボットを「商用化」するため、巨額の投資を進めています。

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今年3月、マイクロソフトが開発したチャットボット「テイ(Tay)」は、わずか24時間で、約9万6千件のツイートを更新し、フォロワーを11万人集めたことで注目を集めました。

しかし、幸先のいいスタートを切ったものの、18歳~24歳のユーザーに特化したサービスだった「テイ」は残念ながらもこの年齢層特有の「いたずら」を考慮しきれなかったことで出鼻をくじかれてしまいました。

ユーザーたちが「テイ」にホロコースト、9.11テロ、人種差別などについて質問をした結果、「テイ」が相次いで下記のような発言をしてしまい、結果、24時間後にサービスが中断されてしまいました。

 

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一方で、ある程度の規則が定められたチャットを通じた予約サービスは、すでに一般的に使われています。

例えば、ドイツなどで商用化された「ワッツアップ・タクシー(WhatsApp Taxi)」ですと、別途のアプリをダウンロードする必要なく、チャットで簡単にタクシーを呼べます。現在位置を送信し、「ワッツアップ・タクシー」の質問に答えるだけで完了という簡易さが人気を集めています。

vimeo.com

 

チャットボットの進化・普及がもたらす変化とは?

チャットボットの成長による長期的な「破壊力」は非常に大きいと予想されます。

まずは、

グーグルやネイバーのメインサービスである「検索」を、メッセンジャーに置き換えることになり、メッセンジャーを中心に市場が再編される可能性が有るという見解があります。今後、人々は検索エンジンを通じて必要な情報を「検索」するのではなく、メッセンジャーを通じて「質問」する形で必要な情報を得ることになるとの展望です。

実際こうなってしまえば、「検索エンジン」は、メッセンジャーでの質問を通じて得られなかった内容に関してのみ使われるようになると考えられ、その地位が大きく失墜する可能性もあります。かつて、グーグルが登場した際に、検索するという言葉の代わりに「クグる、Googling」という言葉が生まれたように、本格的なチャットボットの成功モデルの登場によって「クグる」を代替する言葉が登場してもおかしくはありません。

それだけでなく、

すでに市場に登場したり、これから登場すると予想される多くのアプリケーションが、「メッセンジャーアプリ」に統合される可能性もあります。

今は、旅行に行くために旅行アプリで航空便を予約したり、様々なショッピングアプリで買い物をしたり、通信会社のアプリでオプションサービスを申し込んだり、ソーシャルアプリで買った割引クーポンで美容院を予約したりしていますが、これからはこの全てのサービスが「メッセンジャー」一つで完結することになるかもしれません。

 

チャットボットの主要スタートアップ

<メッセンジャー>

キック(Kik)とウィチャット(WeChat) 

 

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北米の若者が主に使っているメッセンジャーアプリの「キック(Kik)」は化粧品会社のセフォラ(Sepora)、ファッションブランドのH&Mなどの16社と協業し、ボットショップ(Bot Shop)をリリースしました。

ボットショップに入店した会社とチャットをするためには、メッセンジャー内で直接ボットショップのメニューを選択し、チャットしたい会社を選ぶか、メッセンジャーの一番上に固定されているキック・ウィンドウで「@」を入力し、出てくる会社名を入力するだけ。

キックは、ボットショップを今後の核となるサービスと認識しているようです。キックのホームページでは、メッセンジャーにボットを作ることをさも当たり前のことのようにおススメし、作り方を詳細に紹介しています。

しかし、現在チャットボットビジネスでの先駆者は、中国のWeChatといえるでしょう。

中国のチャットアプリ「WeChat」を通じて、中国の消費者は、すでに買い物から航空チケット、映画、ホテル、病院の予約まで行っています。

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以前はオペレータがチャット上での質問に対応する形でしたが、現在Wechatは、蓄積したデータベースを基盤に、自動応答の割合を高めていると発表しています。

 

<ショッピング>

メジ(Mezi)とオペレーター(Operator)

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「メジ(Mezi)」は、ショッピングのチャットボットサービスを提供しています。メジのアプリは現在、旅行、ファッション、電化製品、プレゼントなどの色んなカテゴリーを有しています。メジの競合である「オペレーター(Operator)」の場合は、会員登録の段階からチャットを通じて情報を入力していきます。

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サービス内容はどちらも似ています。会員登録が完了した後、探しているアイテムについてチャットを投げると、予算などを聞く「質問」が繰り出されます。答えを入力すると、自分が選択したオプションにより、候補アイテムをおススメしてくれるシステムです。

 

<スケジューラ>

エクスドットアイ(x.ai) 

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また、ベータサービスがリリースされている「エクスドットアイ(x.ai)」は、グーグル、アウトルックなどのカレンダー情報を活用したスケジューラアプリです。

ユーザーが行うのは自分が使っているカレンダーアプリを選択するだけ。以降は、エクスドットアイがメールなどの情報を確認し、スケジュールを自動入力してくれます。韓国ですとKonoLabsの「コノ(kono)」がエクスドットアイと似たようなサービスを提供しています。 メールでのやりとりにCCで「エクスドットアイ」を加えるだけで、エクスドットアイがメールをやり取りする双方のスケジュールを確認したり、ミーティング場所を提案したりしてくれるのです。

 

チャットボットの限界

しかし、残念ながら、スケジューラやショッピングのチャットボットサービスは、まだまだリアルタイム性が担保されているとは言いがたい状況です。。その理由は、人間がボットを演じてサービス提供している場合が多いからです。そのため現行では、

チャット「ボット」というよりは、検索「代行」アプリに近いとも言えます。

ブルームバーグ通信の記事による (https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-04-18/the-humans-hiding-behind-the-chatbotsを参照)と、エクスドットアイのサービスは、まだ人工知能が処理した結果を「人工知能トレーナー(つまり、人間)」が再確認し、処理するレベルだと言われています。実際に「人工知能トレーナー」として勤務した人々によりますと、メールを確認する業務は事実上、「人」によって処理されていると明らかにされています。

チャットボットのほとんどのスタートアップは、中国のWechatのように、まずMVP(Minimum Viable Product)でサービスをリリースし、データの累積や追加的な投資を通じて、本格的な人工知能モデルに「変換」するとの戦略をもって動いているのです。

 

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韓国の高麗大学(Korea University)で国際学を専攻し、慶應大学法学部で交換留学、そして国費留学生として渡日し東京大学大学院で勉強していました。

今はVCの仕事をやっています。起業をお考えの方、投資調達をお考えの方、日韓関係に興味がある方など、気軽に

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