Korean Venture Capitalist

韓国歴24年日本歴3年 에비스에서 일하고 있는 한국 청년입니다. KoreaUniv, 慶應, 東大/ Colopl&Colopl Next/ Venture Capital/ COYS/ From Seoul, Based in Tokyo/ Trying to enjoy every single moment of life

Nutanix(ニュータニックス)

 

 

Points

  • 上場初日130%以上暴騰。時価総額は50億ドルに。
  • HCIの市場規模15億ドル。毎年急激に成長中でその中52%のシェアを獲得。
  • 日本でも順調に成長している領域。発展可能性高。

 

Summary

Nutanix(ニュータニックス)「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」と呼ばれる仮想化基盤市場をリードする振興ベンダーである。2009年に設立され、2011年末に初製品を公開した以来IT業界の「ユニコーン」と呼ばれ、シリコンバレーで最もスピーディーに発展している企業として注目され成長を続けていた。急成長の理由としては、コンピューティングと仮想化、ストレージを統合したソリューションといったNutanix独自の拡張性が、柔軟性を重視するクラウド環境と「最適の相性」だからである。今現在は市場の約52%のシェアを占めており、将来的な成長も確実視されている。    

 

 

Nutanixは9ヶ月前にIPOのため企業情報を先行公開した。そして、2016年9月30日にNASDAQに公開され、株式市場に旋風を巻き起こした。9月29日にラウンドA株式を1487万株発行、株価は16ドルと発表していた。先月30日、Nutanixの株価は26.5ドルでスタートし、一時は39.4ドルまでつりあがった。公開日の終値は131%増の37ドルであり、時価総額は約50億ドルに到達した。非公開起業時のNutanixの評価額は20億ドル程度と推定されていた。

 

これは2016年IT業界において一番大規模なIPOであり、IT業界が回復していることを示しているとの専門家の見解が多数出ている。しかし一方では、まだ十分な「成果」を出していない中、この会社のバリュエーションは「過大評価」されているとの指摘もあり、過熱した市場でのNutanixへの投資は大きいリスクがあるのではないかという見解も少なくない。アメリカでは最近、ツイッターを含めたスタートアップ企業のバリュエーションが急激に崩れかねないという分析が多く出ている。

 

Market and Competitors  

 

 

 

HCIの市場規模は2016年現在15億ドルで、毎年順調に伸びている。Nutanixの急激な成長とともに、多くのITベンダーがハイパーコンバージド市場の拡大に刺激されていた。近年続々と大型ITベンダーが市場に参入している。

 

  

 

既存の競合会社であったVMwareの他にも、EMCを始め、CiscoOracle、HPEなどがハイパーコンバージドシステムを発売し、市場競争が一層激しくなっている。これに加え、DellLenovoもNutanixからソフトウェアの供給を受け、ハイパーコンボージド市場に参加した。

 

VC Funding - Pre-IPO Funding Rounds

Nutanixは2011年からIPOまで、7回にわたり10社から3億4000万ドルを調達した。IPO前のNutanixは、

  • 最大ラウンドは1億4000万ドル
  • 中央値は2500万ドル
  • 平均は4850万ドル

という特徴があった。Pre-IPOの詳しいFunding情報は、http://listings.findthecompany.com/l/20279770/Nutanix-Inc-in-San-Jose-CA?utm_source=viz&utm_medium=viz.referral&utm_campaign=viz.ref.1662&utm_viz_id=iKSPwbGHa2p&utm_pubreferrer=www.investopedia.com%2Fnews%2Fwhat-nutanix-ipo-means-tech-ntnx-csco%2F

を参照。

 

Conclusion - How About Japan?

Nutanixは現在は80カ国に2600社を超える顧客を持っており、日本法人も置いている。グローバルでの売上は前四半期比で25%増、前年度比では100%以上(2倍以上)という恐ろしい成長スピードだが、日本法人単独の業績は公表していない。日本のハイパーコンバージドインフラストラクチャの主要ベンダーはNutanix、SimpliVity、VMwareの3社で、全部米国企業である。

 

2016年の国内HCI市場は、前年比11.0%増加した480億6800万円と予測されている。2015年~2020年の年間平均成長率10.0%、2020年の市場規模を698億9,600万円と予測されており、日本でもマーケットの拡大が確実視される。 

  

日本でも大手企業におけるプライベートクラウドの構築をはじめとする仮想基盤の拡張、クラウドサービスプロバイダーでの導入拡大、中堅中小企業へのサーバ仮想化の浸透などによって、非常に成長している領域といえる。国内のサーバ仮想化を実施している企業のうち、サーバ仮想化のみを実施している企業が42.6%にとどまり、それ以外はクライアントやネットワーク、ストレージの領域に対しても仮想化を実施している。この結果から、仮想化をITインフラ全体に適用していく需要が高まっているといえよう。

 

 

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韓国の高麗大学(Korea University)で国際学を専攻し、慶應大学法学部で交換留学、そして国費留学生として渡日し東京大学大学院で勉強していました。

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